一般整形外科
もともと関節の中には関節液という液体が少し入っており、潤滑油の役割をしています。しかし、何らかのトラブルで関節の中に炎症が起きるとこの関節液が異常に増えてきます。“水が貯まった”というのはこの状態のことです。原因としては高齢に伴う軟骨の変化による炎症、半月板といって大腿骨と脛骨の間に介在しているクッションのような軟骨が壊れてきた場合などに起こります。何らかの炎症の結果水が貯まるということです。
関節の袋がはちきれそうになるほど貯まってくるとそれだけでも痛んで歩きにくいので、関節の水を抜くと同時に、通常炎症を抑える薬を注入することがあります。しかし水を抜いても関節の炎症そのものがすぐに治まるわけではないので、しばらくするとまた貯まり、繰り返すことがあります。このような経験のある方が、抜くとまた貯まるものだと勘違いされているのだと思います。
抜いたから癖になってまた貯まったというわけではありませんのでご安心ください。逆に貯まっている状態を放置することの方が、膝関節に悪影響を与えてしまいます。
膝関節は、構造上3つの関節に分かれています。脛骨大腿関節(太ももの骨とすねの骨との関節)で2つの関節(内側と外側)。大腿膝蓋関節(太ももの骨とお皿)の計3関節からできています。膝関節には体重の3〜4倍の圧力がかかります。
例えば体重が80kgであれば膝関節に240〜320kgがかかることになります。
そのため、治療においては体重コントロールも重要になってきます。
ただ単に体重を落とすのではなく、下肢の筋力を鍛えつつ減量をしていくことが望ましいのではないでしょうか?ただし、無計画なダイエットを行って、筋力まで低下させていては逆効果です。適切な運動を行い、カロリーを消費することで、体重コントロールを行いましょう。
膝を作っている大腿骨と脛骨は、滑液と軟骨がクッションとなっている為、膝が体重の重みを受けても、骨同士がぶつかって砕けることも無く、自然に滑らかに動くようにできています。そして、滑液の粘りと軟骨の弾力を生み出しているのが、ヒアルロン酸なのです。
つまり、膝のヒアルロン酸が不足すると滑液が減り、軟骨の磨耗が進んで、膝に痛みが出てきてしまうのです。
ヒアルロン酸の効果として
などの効果があると言われています。
ヒアルロン酸の優れた機能を応用して、最近では医療分野でも幅広く使われています。
整形外科領域ではヒアルロン酸の注射剤が、変形性膝関節症,肩関節周囲炎,関節リウマチにおける関節痛に保険適応されています。