岡崎にあります「はまな整形外科クリニック」よりペインクリニックについてご案内します。

みなさん、痛くて痛くてツライのに、このように考えたことありませんか・・・?

痛みを我慢我慢

医師も患者さんも、痛みには必ず原因があり、必ず病名がつくと考えがちです。しかし、日常診療で原因のわからない痛みなどいくらでも存在します。そんな時、「必ず原因があり、必ず診断がつく!」「だから鎮痛剤や注射などで一時的な鎮痛を図りたくない」という考えが、より患者さんを悩ませストレスフルにさせ、抑うつ傾向になり、不眠になり、さらに痛みを強く感じさせこれが痛みの悪性サイクルです!実際、腰痛においてもその8割は原因不明の非特異的腰痛症!とされています。

段ボール持つ子

さて、みなさんこの絵をじーっと見ていると、なんだか腰のあたりや太もものあたりがどよ~んと重たくなってきませんか?

信じられないかもしれませんが、現在痛みの出ていない慢性腰痛症の患者さんに、この絵をじーっとているだけで、腰痛が再燃してきてしまうという実験結果が実際に報告されています。痛みを長い間放置しておくと脳内に痛みを記憶してしまい、このような痛み体験が、過去の記憶を呼び覚ましてしまい、本当は痛くないのに痛いという信号を発信してしまうと考えられています。このようなことからも、痛みを放置し、慢性化させてはいけないということがわかりますよね。

慢性痛

このような状況に陥らないようにするためには、適切なタイミングに適切な薬剤の内服や注射を行い、決して痛みを放置したりしないことです!しかし日本人はとかく「内服による除痛やブロック注射による除痛は一時的だから行いたくない!」と考えがちです。とても忍耐強い国民性ですから・・・(^-^;。もちろん当院の基本方針は運動療法による身体の改造ですので、薬で痛みだけを除去しておしまい・・・ということは決してありません。しかし痛みがある体で運動療法など到底行えません。なので肉体改造を行うためにも速やかに痛みを除去する必要性があるのです。

そもそも痛みはある意味一時的なものなのです。それを一時的に鎮痛せず、慢性疼痛に移行させてしまうことこのことこそ大問題なのです。実は私自身20代~30代後半まで、ひどい腰椎椎間板ヘルニアに悩まされ続けました。しかしその頃は私も毎日毎日手術ばかりしていた整形外科医でしたので、ヘルニアというものは、痛くなったら消炎鎮痛剤を飲んで、適当に除痛を行っておけばいい。どうしても痛みが取れない場合は手術!というような考え方でした。ですから自分も痛みを我慢しながら、痛みと共存してきてしまいました。ですからさきほどの絵の話ではないですが、長時間の車の運転や、長時間の手術を行ったあとは、もしかしたら痛みが出るかもしれないな~って思ってしまうのです。そうすると見事に数十分後には座骨神経痛が出現するのです!

そんな愚かな私も、30代後半から遅ればせながら、適切な疼痛コントロールと運動療法を行い、正直40代に入って現在に至るまで、あれほどお世話になったブロック注射も痛み止めの内服も全く必要が無くなりました。ですから私が診察で熱く語ることは、医者としての立場というより、ヘルニアを克服した患者としての立場からと思って頂けたら幸いです!

最後にもう一度申し上げますが、効きもしない鎮痛剤を漫然と長期にわたって投与したり、強い痛みを有したままリハビリを行っている方がよほどデメリットが大きい事に気づかなければなりません。

痛みの程度と種類を、患者さんの身体状態や精神状態から察知し、より早急に痛みから解放して、痛みの悪循環に入り込ませない!そして痛みが除去できたら、個人個人のメディカルチェックを行い、適切な運動指導を行っていく!そしてそれを患者さん個々がホームエクササイズで継続していく!このことこそが成功への唯一の道であると考えております。

まだまだこういう治療に馴染みのない日本人に、こういう治療の考え方を繰り返し繰り返しお話していくことこそが、痛みを扱う整形外科やペインクリニックの使命だと考えております。