当クリニックでは、スポーツ障害の治療を積極的に行っております。そのため、夕方5時を過ぎる頃から、部活の終わった子供たちが多数来院されます。一言でスポーツを原因とした痛みといっても病態は様々です。

≪痛みを我慢する子供たち≫

 来院する子供たちの多くは痛みを我慢して練習を続けています、なぜか怪我をして休むとレギュラー争いから離脱してしまう、監督やコーチに怒られる、病院に行ってもすぐにドクターストップをかけられる事が嫌だなどなどその結果、重度の障害になってから、あるいは試合の直前になってから痛みをなんとかしてほしいと困って来院してしまいます。当然そのような状態では選択出来る治療も限られてしまい、残念ながら大事な試合に出場できない事もしばしばあります。


 実際に子供たちに話を聞いてみると痛みはかなり以前からあったがなかなか言い出せなかった、または痛いと言っても一部の指導者からは『大した事ない、その程度で練習は休むな』などの驚く言葉もあるとの事です。大変残念なことですが。。。
 スポーツの現場では痛みを伝えれることが出来る雰囲気づくりが怪我の悪化を防ぐ第一歩だと思います。当たり前ですが怪我をしている状態で練習を行っても高いパフォーマンスは発揮できないでしょうし、そもそもそのような状態で子供たちはスポーツを楽しめるのでしょうか?

≪正しいスポーツ医科学の知識を≫

 日本のスポーツ文化において、特に部活動では勝利主義が優先される傾向がみられたり、怪我をおしてプレーすることを美談のように賞賛してしまうマスメディアの悪影響もあり、『根性』や『精神力』を『無茶・無謀』と混同しているように思えます。練習時間も質より量が優先され、あきらかなオーバーワークやオーバーユース(使い過ぎ)が生じている事も多く、練習内容もスポーツ医科学に基づく練習より、経験論など身体に負荷がかかる練習も多く見られます。良いと思われてしていた事が実は科学的に正しくなかったり。。。例えば一昔前は水分摂取を行わないまま練習するなどありましたよね、最近では少年野球の遠投練習の必要性についてさまざまな論議がなされています、ご存知でしたか?

≪コンディショニングの必要性≫

 このような身体に負担のかかりやすい練習内容や環境の中で、適切なコンディショニングや身体のケアをしっかり行っている部活動やクラブチームが少ない事が現実です。そもそも指導する側の大人でさえ身体のケアを行えておらずスポーツによる怪我をしてよく来院されています。子供たちと一緒に来院された親御さんや指導者の方でも、しっかり行いたいけど詳しく方法がわからない、そんな方法があったこと知らなかったなど多くの声を聞く事があります。

≪教育・啓蒙活動≫

 そこで当クリニックでは、要請があれば学校などに出向いて、生徒や指導者の方々にスポーツ障害の講演やメディカルチェックの実技などの指導を行っています。過去岡崎市内の小学校、中学校、あるいは地域の公民館などで、多数の講演やメディカルチェックを行ってまいりました。今までのようにケガをした子だけが病院にかかりその場限りの治療を受ける・・・そしてまた障害を繰り返す。これでは永遠にスポーツ障害は減りません。スポーツ障害を未然に防ぐ啓蒙活動が必須なのです。スポーツクリニックとして、まずは地域の学校やクラブチームにこれらの活動を通じて貢献できれば幸いです。

≪ここ最近の活動報告≫

・井田小学校(全教員対象) 成長期のスポーツ障害の予防

・甲山中学校(2年生対象) 成長期のスポーツ障害とメディカルチェックの必要性

・新香山中学校(全校生徒対象)成長期のスポーツ障害とメディカルチェック

などなど一部紹介

活動風景 (新香山中学校にて)

活動風景1 活動風景2

活動風景3 活動風景4

活動風景5 活動風景6

実際に学校へ訪問し、実技を含めた指導をさせていただいております。 このような活動に興味のある方はお問い合わせください。

連絡先:担当 酒井まで