骨粗鬆症はどうして女性に多いのですか?

女性ホルモン(エストロゲン)には肌や髪の新陳代謝、生殖機能の発育・促進だけでなく、骨量を維持・強化するという役割もあります。そのため、更年期になってエストロゲンの分泌が低下すると、骨の保護作用が衰え、骨量は徐々に減っていきます。
エストロゲンにはビタミンDの合成を助ける役割もあるので、腸のカルシウム吸収作用も年齢とともに低下していき、更年期以降の女性は骨粗鬆症になりやすいとされています。

骨粗鬆症はどのように予防したらいいのですか?

若い時にできるだけ骨を丈夫にしておくことです。そのためには、思春期からチーズや牛乳など乳製品を中心にした良質のカルシウムを十分とっておくこと、ムチャなダイエットで栄養のバランスを壊さないことなどが大切です。
次の段階は、更年期です。閉経の前後から骨量は減少を始めるので、この減少を最小限に抑えることが必要です。そのためにも適度な運動と十分なカルシウムの摂取が必要です。この世代は、カロリー摂取の過剰が高血圧や高脂血症などにもつながりやすいので、乳製品だけではなく小魚(しらす干しやさくらえびなど)や緑黄色野菜のおひたし、大豆製品などをうまく利用していくことが望ましいとされています。

なぜ、乳製品(牛乳)がいいんですか?

カルシウム量が多い上に、吸収率と骨への利用率が高いからです。
食事で最も大事なことは、カルシウムを充分量摂取することです。牛乳はカルシウム分をたくさん含んでいるうえに、カルシウムの吸収率を高めたり、カルシウムを骨に吸着させやすくしたり、行き過ぎた骨破壊を調節するタンパク質も含まれています。
骨粗鬆症予防のためのカルシウムの摂取推奨量は、閉経期でも高齢者でも800mg/日以上です。一日1000mgでも摂りすぎではないので、しっかりカルシウムを摂りましょう。 ただし、食事中のカルシウムが100%吸収されるのではなく、野菜では約20%、牛乳では約40%しか吸収されません。食品の種類も考慮しましょう。