骨粗鬆症を放置することによる最大の問題は、骨折を起こしやすくなる事です。骨折好発部位としては、胸腰椎、大腿骨頚部、橈骨遠位端、上腕骨近位部等があります。特に大腿骨頚部骨折は移動・活動性の制限と自立性の低下、QOL(生活の質)の低下を招き、寝たきりの原因となります。大腿骨頚部骨折の発生数は年齢とともに増加し、特に65歳以降になると、その発生頻度は急増します。骨折後の転帰では約25~30%の方が寝たきりに至るとの報告もあります。

代表的な骨折の写真をお示しします。

圧迫骨折

このような圧迫骨折を繰り返すことにより、円背がどんどん進行します。

頚部骨折とop後

左が手術前の左大腿骨頚部骨折の写真です。右は骨折部位を器械で固定した写真です。手術を行わなければ、歩行能力を喪失することになるため、ほとんどの場合、手術の適応となります!

上肢の骨折

左は肩の部分の骨折です。この程度であれば手術を行わず経過をみます。右は手首の骨折です。かなりずれやすい骨折のため、最近では手術を行うことが多くなりました。

このように、骨粗鬆症に伴う骨折は、、身体を支える背骨、歩行をつかさどる股関節、家事や仕事でよく使う手首・・・要するに、骨折を起こすと生活の質を著しく損なうような場所に起きやすいということがわかりますよね。

ですから、健診などで骨粗鬆症を指摘されたら、なるべく速やかに整形外科に受診し、治療を検討する必要があります。