はまな整形外科クリニックでは、骨の状態を知る為にいろいろな検査をします。

骨密度測定

骨密度(骨量)の検査は背骨太ももの付け根、踵、手首で行う方法があります。
当院骨密度測定装置は「X線」を使用するDEXA法(デキサ法)という装置で測定を行っています。超音波などを用いた他の測定法と比べて測定精度が高く、治療効果の判定や、経過観察などを行うことにも優れています。

DEXA

骨粗鬆症による骨折は腰椎の椎体骨折の頻度が最も多いです。大腿骨頚部骨折はその後のQOLを著しく低下させます。骨折のリスクは同じ部位の骨密度ととても相関しているため、骨折リスクの評価にとても有用です。また大腿骨の骨密度は脊椎骨折をはじめとするあらゆる骨折の予知能に優れています。以上のことを含め当院では腰椎と大腿骨両方の骨密度の測定を行っております。
DEXA結果

骨密度測定の後、みなさまにこのような診断結果の用紙をお渡しします。治療を行い、定期的に骨密度の変化を測定していきます。

採血

骨粗鬆症に採血??

そう思われる方も多いと思います。今では、骨代謝マーカーといって、骨を作る細胞や、壊す細胞の活性を採血で知ることができます。また治療効果の判定にも骨代謝マーカーを使用します。

要するに採血の結果から将来の骨粗鬆症のリスク、薬物の選択、治療効果などの評価が可能になるというわけです。

脊椎レントゲン検査

半年に1回程度、骨が折れたり、つぶれたり、変形していないか、あるいは折れやすい状態かどうかを調べたりします。骨密度が正常であっても、背骨のレントゲンを撮ってみると痛みや転倒などの外傷がないのに、背骨の圧迫骨折を起こしている患者様がたびたび見られます。これは、骨密度検査だけではわかりません!

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これらを総合的に評価し、診断します。なお、既往に『脆弱性骨折』を有する場合には、骨密度値がYAMの70%未満でなくても骨粗鬆症と診断され、早期に治療開始が必要となります。骨折の既往がある方は、一度検査することをお勧めします。

骨粗鬆症イラスト骨粗鬆症イラスト骨粗鬆症イラスト

表1に日本骨代謝学会から発表されている2012年度改訂版原発性骨粗鬆症の診断基準を示します。

表1 原発性骨粗鬆症の診断基準(2012年度改訂版)

低骨量をきたす骨粗鬆症以外の疾患または続発性骨粗鬆症を認めず,骨評価の結果が下記の条件を満たす場合,原発性骨粗鬆症と診断する。

I 脆弱性骨折(注1)あり
  1. 椎体骨折(注2)または大腿骨近位部骨折あり
  1. その他の脆弱性骨折(注3)があり、骨密度(注4)がYAMの80%未満
Ⅱ 脆弱性骨折なし

骨密度(注4)がYAMの70%以下または-2.5SD以下

YAM:若年成人平均値(腰椎では20~44歳,大腿骨近位部では20~29歳)
注1: 軽微な外力によって発生した非外傷性骨折。軽微な外力とは,立った姿勢からの転倒か,それ以下の外力をさす。
注2 :形態椎体骨折のうち,3分の2は無症候性であることに留意するとともに,鑑別診断の観点からも脊椎X線像を確認することが望ましい。
注3: その他の脆弱性骨折:軽微な外力によって発生した非外傷性骨折で,骨折部位は肋骨,骨盤(恥骨,坐骨,仙骨を含む),上腕骨近位部,橈骨遠位端,下腿骨。
注4: 骨密度は原則として腰椎または大腿骨近位部骨密度とする。また,複数部位で測定した場合にはより低い%値またはSD値を採用することとする。腰椎においてはL1~L4またはL2~L4を基準値とする。ただし,高齢者において,脊椎変形などのために腰椎骨密度の測定が困難な場合には大腿骨近位部骨密度とする。大腿骨近位部骨密度には頸部またはtotal hip(totalproximal femur)を用いる。これらの測定が困難な場合は橈骨,第二中手骨の骨密度とするが,この場合は%のみ使用する。