リハビリテーション
当院における、「脊椎、脊髄の障害に対するリハビリテーション」についてご紹介します。
腰椎疾患(腰椎椎間板ヘルニア、すべり症、脊柱管狭窄症etc.)や、頚椎疾患(肩こり、頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアetc.)などの脊椎や脊髄の障害は、主に長年の不良姿勢が基盤にあり、その状態で腰や頚に負荷をかけ続けたことによってもたらされます。
大きくわけて①機能的な問題と②器質的な変化の2つが原因となり症状を生じさせます。場合によっては2つの問題が重なり合い混合している場合もあります。
当院のリハビリでは、主に機能的な問題を改善し、器質的な変化に対し負担のかからない姿勢や動作を指導していきます。
機能的な問題とは、不良姿勢や筋の硬さによる、脊椎の弯曲の減少や脊椎の椎間関節の可動域の減少や四肢筋群の硬さによる骨盤-脊椎運動の破綻などがあげられます。
器質的な変化とは、脊椎椎体の変形や椎間板変性や骨棘形成、また分離症や椎間板ヘルニア(スポーツ外来参照)などが挙げられます。これらの疾患自体が直接の原因となって、疼痛やしびれなどの四肢症状を生じることも少なくありません。
器質的な変化では病態によって異なりますが、多くの場合は直接の原因を取り除くことを目的にリハビリテーションを行うわけではなく、近接する他の部位に対してストレッチ指導を行い、直接の原因による障害を生じにくくさせたり、二次的な障害(痛みによる筋の緊張や他の部位への影響)を軽減・消失させる為にストレッチ指導を行っていきます。
これらの姿勢は不良姿勢と言われています。
ではなぜこのような不良姿勢になってしまうのでしょうか?
それは・・・・・体が硬いからです!
下半身、上半身の柔軟性が低下しているために、筋が硬くなり、脊椎の弯曲が消失します。弯曲の少なくなった脊椎は、脊椎椎間関節の運動も減少しやすくなり(機能的な問題)、上記の写真のような背中が丸い姿勢になってしまいます。
●骨盤-脊椎運動の破綻
<前屈>
骨盤前傾は起きてますが…
脊椎運動がありません。
脊椎は動いてますが…
骨盤前傾が少ないです。
<後屈>
関節運動が減少した後屈 骨盤の後傾が少ないです。
このような機能的な問題により、不良姿勢が続いた結果、脊椎または椎間板に器質的変化をもたらします。
((ストレッチの一例))
<前屈>
骨盤の前傾、脊椎の屈曲がでるようになりました。
<後屈>
骨盤の後傾、脊椎の伸展がでるようになりました。
機能的な問題が改善することにより ・・・
硬くなっていた筋が伸びて脊椎の可動性が広がり、姿勢が良くなりました!
機能的な問題を改善することによって、器質的な変化を起こしてしまっている脊椎への負担を軽減させます。
当院では理学療法士が個人に合わせたストレッチ、筋力トレーニングなどのホームエクササイズを指導しています。それは脊椎の動きや上肢・下肢の柔軟性、体幹の筋力などの問題点が個々によって異なるからです。
また病態によっては誤ったストレッチを行うことで状態を悪化させる運動もあります。そのため個人の状態にあった正しい方法を覚えて的確な運動を行いましょう。