岡崎にあります「はまな整形外科クリニック」より生物学的製剤の治療方法についてご案内します。

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生物学的製剤とはなにか?

関節リウマチにおける腫れや痛みなどの炎症や軟骨・骨を破壊(関節破壊)に深く関与しているTNFαまたはサイトカインであるIL-6や、炎症発生の上流に位置するT細胞の活性化を抑制する薬剤です。
現在日本では7剤が発売されており、いずれも注射薬です。

  • レミケード(一般名:インフリキシマブ)
  • エンブレル(一般名:エタネルセプト)
  • ヒュミラ(一般名:アダリムマブ)
  • アクテムラ(一般名:トシリズマブ)
  • オレンシア(一般名:アバタセプト)
  • シンポニー(一般名:ゴリムマブ)
  • シムジア(一般名:セルトリズマブ)

どのような患者さんに導入するのですか?

  • メトトレキサート製剤やその他の抗リウマチ薬を併用してもリウマチのコントロールができない方
  • 痛みが取れていてもレントゲン上、関節変形の進行を認める方

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期待される効果

  • 関節の痛みや腫れなどの症状を早期に改善します。
  • 関節破壊の進行を防止します。
  • 日常生活に支障をきたす身体機能の障害を改善します。
  • 寛解(症状がない状態)までもっていくことが望めます。

適切な時期から生物学的製剤を使用することで、リウマチのコントロールができ、発症前の生活を維持することが可能と言われています。

生物学的製剤の効果をさらに引き出すために

  • レミケードに関しては、メトトレキサート製剤の併用が義務づけられています。
  • レミケード以外の製剤は、メトトレキサート製剤との併用を義務付けていませんが、多くの製剤はメトトレキサート製剤を併用すると効果が増強するという報告がされています。
  • 生物学的製剤の抗体産生により効果減弱がみられる場合にメトトレキサート製剤増量(最大16mg)や他の抗リウマチ薬の併用により、さらなる効果が期待できる場合もあります。

飲む生物学的製剤

ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬 (ゼルヤンツ)

炎症を引き起こすサイトカインに直接働きかける、飲むお薬です。「飲む生物学的製剤」とも言われています。薬効としては、今までの生物学的製剤と同等と言われており、使用するタイミングは生物学的製剤と同じく既存の治療で効果不十分な患者さんに投与されます。

薬や治療についてご理解いただけましたか。
では次に、治療の評価と副作用についてお話します。