治らない痛みについて
岡崎にあります「はまな整形外科クリニック」より慢性疼痛についてご案内します。
どこに受診しても、何回通院しても治らない痛み…
整形外科に受診される患者さんの多くは、その大小はともかくとして、痛みというものを有しており、その痛みから解放されることが一番の受診動機ではないでしょうか? しかし、この【痛み】という言葉…ありふれた、誰もが簡単に用いる言葉ですが、定義を考えると極めて奥深く、そして神秘なものです…。そして扱い方をあやまると、深い深い痛みの闇にさまようことになってしまう可能性もあるのです。
では痛みとはいったいどういうものなのでしょう…
国際疼痛学会では、「実際または潜在的な組織損傷に伴って起こるか、またはそのような言葉を使って述べられる感覚的・情動的な不快な体験」と定義しています。
要するに…
もともと痛みは、外傷、障害をはじめとした何らかの生体の損傷がきっかけとなり、急性期疼痛が起こることから始まることが多いです。簡単な例をあげると、「蜂に刺され、腕が腫れあがって痛む…」「打撲をした膝が腫れあがって痛む…」。このような痛みを侵害受容性疼痛と言います。これに対し、身体表面的には何も炎症、刺激が無いのに、神経が損傷されて痛みの経路が感作され、ニューロンの興奮により脊髄の感受性が上がってしまい慢性疼痛…例えば「椎間板ヘルニアに伴う坐骨神経痛」「帯状疱疹後神経痛」等を神経障害性疼痛と言います。また、さらにこのどちらにも含まれない、原因の無い痛み…すなわちストレスや環境因子をひきがねとした心因性疼痛。しかし、この3つに簡単に分類されるほど痛みというものは単純なものではありません。複雑に絡み合った知恵の輪を解いていくように原因を探っていかなえれば正解にはたどり着けないのかもしれません。痛みを一時的に消してあげることは容易いことなんですけどね・・・。
では、この痛みをどう診断するのか・・・?
まず初めに申し上げておきたいのは、痛みだけをターゲットとして診察、治療を考えてしまうと、間違いなく深い闇をさまようことになってしまいます。なぜなら前述したように、痛みは他の人と共有できない、情動的側面を持ち合わせているからです。