岡崎にあります「はまな整形外科クリニック」より慢性疼痛についてご案内します。

痛くないのに痛い

どこに受診しても、何回通院しても治らない痛み

整形外科に受診される患者さんの多くは、その大小はともかくとして、痛みというものを有しており、その痛みから解放されることが一番の受診動機ではないでしょうか? しかし、この【痛み】という言葉ありふれた、誰もが簡単に用いる言葉ですが、定義を考えると極めて奥深く、そして神秘なものです。そして扱い方をあやまると、深い深い痛みの闇にさまようことになってしまう可能性もあるのです。

では痛みとはいったいどういうものなのでしょう

国際疼痛学会では、「実際または潜在的な組織損傷に伴って起こるか、またはそのような言葉を使って述べられる感覚的・情動的な不快な体験」と定義しています。

  1. 痛みの原因は末梢や神経系で発生するが、「痛み」として認識するのは、脳である。
  2. 痛みは、「単に痛い!」という「感覚的側面」だけでなく、痛みに伴う「情動的側面」がある。「情動的側面」についても治療が必要である。
  3. 痛みは他の人と共有できない感覚である。痛みに関する表現が異なるだけでなく、痛みの感じ方も多様であると考えられる。同一人物でも、時によって痛みの感じ方が異なる。単に、心理的要因だけではなく、痛覚伝導路の傷害、抑制系の活性化や異常な神経系の賦活により、痛みを通常より強く感じたり、通常より弱く感じることがある。
  4. 患者さんが痛いというのであれば、それがその患者さんの痛みであり、苦しみである。
  5. 痛みには、身体に異常が見あたらない痛みもある。しかしそれは気のせいのようなものではなく、神経系に生じた何らかの変化によって生じる痛みもある。
  6. 痛みを放置すると、患者さんがつらく病状も悪化するだけではなく、痛みの悪循環が生じ、慢性疼痛に移行することがあるので、できる限り除痛することが重要である。 鎮痛は一時的なものだから、行いたくないこの考えが悪循環を生む!(ペインクリニックとしてで詳しく解説させていただいてます)
  7. 慢性炎症や神経損傷では、痛覚過敏(侵害刺激に対する閾値が低下)や、アロディニア(通常痛みを生じさせない刺激で痛みを生じさせる)を引き起こす。

痛みの分類

要するに

もともと痛みは、外傷、障害をはじめとした何らかの生体の損傷がきっかけとなり、急性期疼痛が起こることから始まることが多いです。簡単な例をあげると、「蜂に刺され、腕が腫れあがって痛む」「打撲をした膝が腫れあがって痛む」。このような痛みを侵害受容性疼痛と言います。これに対し、身体表面的には何も炎症、刺激が無いのに、神経が損傷されて痛みの経路が感作され、ニューロンの興奮により脊髄の感受性が上がってしまい慢性疼痛例えば「椎間板ヘルニアに伴う坐骨神経痛」「帯状疱疹後神経痛」等を神経障害性疼痛と言います。また、さらにこのどちらにも含まれない、原因の無い痛みすなわちストレスや環境因子をひきがねとした心因性疼痛。しかし、この3つに簡単に分類されるほど痛みというものは単純なものではありません。複雑に絡み合った知恵の輪を解いていくように原因を探っていかなえれば正解にはたどり着けないのかもしれません。痛みを一時的に消してあげることは容易いことなんですけどね・・・。

では、この痛みをどう診断するのか・・・?

まず初めに申し上げておきたいのは、痛みだけをターゲットとして診察、治療を考えてしまうと、間違いなく深い闇をさまようことになってしまいます。なぜなら前述したように、痛みは他の人と共有できない、情動的側面を持ち合わせているからです。

痛みの治療で大事なこと

ペインクリニックとして