主人が娘の両腕をもちグルグルまわして遊んでいたら、急に娘が右腕を痛がり泣き始めました。その後も、右腕を挙げようとしません

肘内障(ちゅうないしょう)が考えられます。
小児では前腕の橈骨頭の発育が不十分なため、また橈骨輪状靭帯(肘をつなぎとめている靭帯)がゆるく外れやすくなっています。そのため手を強く引くと橈骨頭から輪状靭帯が抜けてしまいます。子供は肩からダラ〜んとなり動かそうとしません。肩が外れた、手首が外れたとお見えになる方が多いですが、肘が原因です。1〜2秒で整復可能です。当然あっという間なので、麻酔もなにも必要ありません。
ただ、肘内障だと思っていても骨折の場合も考えられますので整形外科を受診するようにしましょう。
肘内障2

 

10歳の娘が小学校の検診で、側弯症と言われました。必ず手術が必要になってくるんでしょうか?

一口に側弯症といっても、その病気の原因は100種類以上あります。その中の60〜70%が原因不明の特発性側弯症です。特発性側弯症には3歳未満の乳幼児に発症し男児に多い乳幼児側弯症、3歳頃から10歳頃までの間に発症する若年性側弯症、11歳以上の女子に多い思春期側弯症があります。多くは学校検診で指摘され、整形外科医を受診します。
視診では両肩の高さが異なったり、お辞儀をしたときに左右の肩甲骨の突出具合が異なったり、ウェストラインの非対称などが見られます。
経験の深い整形外科医に受診することが大切で、X線検査で側弯の程度や骨年齢を計測します。特発性側弯症は成長期に進行することがよくあるので、骨盤のX線写真から骨年齢を評価し、まだ成長期にあるときは注意深く経過を追って側弯の程度を診る必要があります。
治療ですが、Cobb法(最も広く用いられている、X線検査による側弯の角度の計測法)で10〜15°以下の場合は正常範囲と考え、20〜50°の場合は装具などの保存療法が選ばれます。それ以上の場合は手術療法が必要なこともあります。
軽度の側弯でも成長期の場合は増悪することがあるので、必要があれば6〜12か月後にもう一度診察などを受ける方がよいと思われます。また、側弯体操をしたり、スポーツなどをして筋力を強化することなども大切です。

側弯XP
【特発性側弯症のレントゲン画像】