岡崎にあります「はまな整形外科クリニック」より、スポーツによる肘の障害(野球肘、テニス肘)に関してご説明します。

投球 イラスト

主な障害

スポーツによる肘の主な障害に、野球肘とテニス肘があります。

野球肘

内側上顆骨端線離開(リトルリーグ肘)

  • 一般的に言われている野球肘です。発育期(10歳からそれ以下で)には上腕骨内側に成長軟骨帯いわゆる骨端線というものが存在します。
    この部分は、成人の骨とは違い柔らかい軟骨の様な組織のため引っ張れる負荷に対して弱く投球により骨がはがれてしまいます。
  • 症状は、徐々に痛みが増して投球時の痛みから始まり、やがては肘の曲げ伸ばしが困難になります。

  • 治療としては、投球を禁止し患部を安静にして骨の癒合を待つことになります。しっかりとした治療を行えば、障害が残ることはほとんどありませんが無理をして投球を続けることで、将来スポーツを行う上で支障が生じる可能性があるため、しっかり治す必要性があります。

  • 投球禁止期間にリハビリテーションにてコンディショニング(投球フォーム)の改善を行い再発予防を行うことが大切です。休んでいる期間に行えることはたくさんあり、無駄な時間では決してないのです。

肘レントゲン 説明 
 骨折とは異なり、ギプスやサポーターなどの固定を必要とせず、投球の一時的な禁止で骨は修復されます。安静期間にリハビリテーションにてフォームを改善することで再発を予防します。野球肘の治療は患部の修復だけではなく、再発予防のためのフォーム改善(体全体のコンディショニング)が重要になります。(詳しくは、投球障害リハビリテーションへ)

単に投球禁止ということは簡単ですが、すべての人がそういうわけにはいかないでしょう。しかし、投球禁止が必要な場合には、その旨を説明します。治療方針は、個々のプレースタイル(どうしても試合に出る必要がある等)を十分に考慮して決定します。

離断性骨軟骨炎(外側型野球肘)

 OCD 図

 13歳から17歳の発育期に発症します。名前の通り骨の一部が遊離してしまう疾患です。完全に遊離してしまうと将来肘関節が動かなくなるため手術を要する場合もあります。早期に発見できれば、投球を一時的に禁止しMRI、CT、レントゲンで患部の経過を確認しながら慎重に復帰時期を検討していきます。下記のレントゲンので示すように元の状態に修復されれば投球を再開できます。投球を一時的に禁止している間にリハビリテーションにて投球フォームの改善を行います。早期発見が重要であるため、肘の曲げ伸ばしに制限が生じるようになったり、投球時に肘の外側に痛みを自覚したら、早期に受診し適切な指導をうけましょう!

ocd 病期

テニス肘

上腕骨外上顆炎(バックハンド肘)
上腕骨内上顆炎(フォアハンド肘あるいはゴルフ肘)

テニスにぎり 新
スポーツ以外でも、仕事による過労などでもおこる非常に多い疾患です。腱の微細損傷が繰り返し起きることによって生じます。
一日一人は必ず来院されるくらい日常ありふれた障害ですが、症状が出現したばかりの方だけでなく、何年間も症状が続き、改善・悪化を繰り返し完全に治らない患者さんが来院されます。スポーツ動作が原因のため 再発予防、根治のためには、ストレッチやスポーツ動作の改善が必要です。そのためラケットの握り方や肩関節の柔軟性低下が原因であることもあり、全身のコンディショニングが必要となります。ちょっとした問題点を改善することで症状が改善することもあります。